わかってもらえてないと感じられるのは?!
人の話をしっかり聞いているつもりなのに、
なぜか「この人には分かってもらえていない」と感じられてしまう。
そんな経験はないでしょうか。
今回は、相手に「分かってもらえた」と感じてもらうための中核技術(乳幼児研究や対人支援職では重要なスキルとされる)
**情動調律(Affective Attunement)**について解説します。
なぜ「内容の理解」だけでは不十分なのか
まず、結論からお伝えします。
人は、自分の話の“内容”を理解されるよりも、
その時の“感情”を理解されることによって、
強い安心感や信頼を感じます。
つまり、傾聴において重要なのは、
「何があったのか」という出来事以上に、、
「その人がどう感じているのか」に合わせることです。
これが情動調律です。
よくある傾聴の失敗例
では、よくある失敗例?!を見てみましょう。
例えば、相手がすごく落ち込んだ声のトーンで、次のように言ったとします。
「最近、仕事が本当に大変で…毎日残業でしんどいんだ・・・」
このとき、多くの人はこう返しがちです。
「それは大変だね」
「忙しいんだね」
一見、共感しているように見えますが、
実はここには少々ズレが生じています。
なぜなら、相手の感情の“質”や“強さ”に
十分に触れていないからです。
情動調律が出来ている返答は?
では、情動調律ができている返答はどうなるでしょうか。
(辛そうな声のトーンで)
「それって、かなりしんどいよね。
休む時間も取れていないの?」
ここでは、
・しんどさという感情を具体化し
・その強さに寄り添い
・さらに相手の状態に関心を向けています
このように、相手の感情に“チューニングする・合わせる”ことが
情動調律の本質です。
情動調律の具体的な方法
情動調律には、いくつかのポイントがあります。
感情を言語化する(ラベリング)
一つ目は、感情のラベリングです。
相手の言葉の奥にある感情を言語化することです。
例えば、
「悔しかったんですね」
「不安だったんですね」
「プレッシャーを感じていたんですね」
このように、相手の感情を読み取り、感情に名前をつけることで、
相手は「分かってもらえた」と感じやすくなります。
感情の強さを合わせる
二つ目は、強度の一致です。
同じ「大変」という言葉でも、
軽い疲れなのか、大げさに言っているのか、限界に近い状態なのかで、
適切な反応は変わります。
もし相手が限界に近い状態なのに、
軽いトーンで「大変ですねー」と返してしまうと、
そこに違和感が生まれます。
逆に、感情の強さに合った反応ができると、
一気に信頼感が高まります。
非言語コミュニケーションを一致させる
三つ目は、非言語の一致です。
情動調律は言葉だけではありません。
・声のトーン
・話すスピード
・表情
・間の取り方
これらが相手の状態と合っているかどうかが、
非常に大きな影響を与えます。
例えば、相手が落ち込んでいるのに、
明るく早口で返してしまうと、
言葉がどれだけ正しくても、ズレが生じます。
ここで重要なのは、
情動調律は「テクニック」であると同時に、
「姿勢」でもあるという点です。
つまり、
・正しく理解しようとする意図
・相手の内面に関心を向ける姿勢
これがなければ、形だけ真似しても機能しません。
なぜ情動調律が重要なのか
では、なぜ情動調律がこれほど重要なのでしょうか。
心理学的には、人は自分の感情を他者に共有し、
それが受け止められることで、
安心感や自己理解を深めていくとされています。
逆に言えば、
どんなに話の内容を理解したとしても、
感情が受け止められない状態が続くと、
人は孤独感や不信感を強めていきます。
傾聴とは、単に話を聞くことではなく、
相手の内面・感情に寄り添う行為です。
その中核にあるのが、情動調律です。
今日からできる実践テクニック
最後に、今日からすぐに使えるポイントを一つお伝えします。
それは、
「内容を要約する前に、感情を言葉にする」
ということです。
例えば、
「つまり〇〇なんですね」とまとめる前に、
「それは悔しかったですよね」と一言添える。
これだけで、相手の反応は大きく変わります。
もし、これまで
「ちゃんと聞いているのに距離が縮まらない」と感じていた場合、
その原因は“内容中心”の聞き方にあるかもしれません。
ぜひ、「感情に合わせる」という視点を取り入れてみてください。
それができるようになると、
傾聴と会話の質は確実に変わっていきます。
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